小宇宙の炊飯器

 
ああ、もっと早く書きたかった。
 
稲がぐんと背伸びしたくなるような初夏の晴れた日、ごはんフェスがありました。
 
 

gohanfes.com

 
f:id:hrmlpn:20150608013624j:image
 
主催の方々とはフェス前からお会いしたりイベントでご一緒したことが何回かあったものの、お米に関しては正直かなり無関心な人間のひとり。
 
 
農家の方の実情とか、日本人がお米離れしてしまっていることとか、ぼんやりとイメージできても日常と結びつけなかったり。
というか、何したらいいんだろう、と自分にできることが分からなかったり。
 
 
きっと一定数の人はお米を毎日食べなくても平気、というところまではきてしまっているのだと思います。
 
だけど、お米がなくなっても平気、という日本人は本当にごくわずかなんじゃないかなと。もしかしたら、全然いないかもしれない。
 
 
f:id:hrmlpn:20150608013642j:image
 
日常に溶け込んでしまったけれど、かけがえのない存在であるお米。
 
 
 
 
そんな問題の深刻さを訴えるのではなく、ごはんの魅力をより分かりやすく楽しく発信しているのがごはんフェスでした。
 
f:id:hrmlpn:20150608013703j:image

COLORFUL ONIGIRI PARTY!という色とりどりのおにぎりが楽しめるプログラムに参加。

 

盛り付けがくそ下手なので申し訳ないのですが(笑)、本当にたくさんのカラフルなおにぎりやお供があって、「これ、何入ってるんだろう?」「わ、これ稲っぽい!」と一緒に来ていた友人とあれこれ言いながら楽しんでいました。

 

 

f:id:hrmlpn:20150608013657j:image

こんなおにぎり見たことない・・・!!と大興奮。

 

 

 

f:id:hrmlpn:20150608013637j:image

ほぼ日とコラボもされていて、ちっちゃい田んぼもあったり。

大きい田んぼでないと育たないと思っていただけにびっくりしました。

 

 

 

f:id:hrmlpn:20150608013630j:image

そしてこれ。

まるでコーヒーのようなパッケージですが、中身はしっかりお米。

ただひとつ普通のものと違うのは、Feelingで選べるブレンド米であるということ。

f:id:hrmlpn:20150608013648j:image

FORESTやPICNICなどコメっぽくない可愛いネーミング!!
わたしが購入したのはSPIRIT。
元気のなさそうな地元の友人にもおみやげに買いました。
「頑張れたとき食べるね」と言われてしまったけれど、頑張ってるよって意味だったんだよ。とも言えず。
それでもお米をあげるって何かいい。
ちゃんと研いで炊飯器に適切な水の量を入れて、炊く。
包み紙を開いたらそのまま使ったり食べたりできるわけじゃないから、美味しく食べてくれる信頼感みたいなのも一緒に渡している気がして、何かよかったです。
 
 
 
ごはんフェスに行ってきたあと、劇的にお米に対する意識が変わったかというとイエスと言いきれないのが複雑な気分です。
 
色んなメロンパンを知りたいからやっぱりメロンパンも食べてしまうし、お米屋さんで米を買うぞ――!という気合もちょっと足りないし。
 
 
ただ、ひとつだけ思い出したんです。
 
 
わたし、小さい頃お茶碗のごはん粒の数を数えて挫折した時があって。
 
ある日、炊飯器からもくもくと湯気が立ち上る奥にキラッと光るごはん粒たちを見て「あ、星だ」って。
 
わたしが毎日食べてるのは星なのか、って。
そしたら数えられなくてもしょうがないなと納得しました。
 
 
本当に星なのかどうかは別として、このときの思考回路を思い返すにお米って無限にあるものだとばかり思ってたんですね。
 
 
星の数だけむにょむにょって言いますし、ごはん粒が一杯のお茶碗にどれくらいか見ても分からないから、日本で今どれだけのお米農家の人が減って、生産量も消費量も減っているのか想像できません。
 
 
ああ、本当にこんなに美味しいお米が食べられているのは奇跡なのかもしれない。
 
 
 
危機感でした。
 
ごはんフェスの帰り道、「楽しかった、美味しかった」だけではなく最後に強く残ったのは「このままじゃいけない」、という感覚。
 
 
 
星を食べつくしてしまったら、夜が真っ暗になってしまうかもしれない。
 
 
 
 
“コメ離れしてる場合じゃない”
 
本当にそうでした。
 
もっとお米のことを知ろう、そしてこの先も美味しいごはんが食べられるようにもっとお米の問題に対してジブンゴトになろう、と思います。