はちみつ水族館

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photo by Siona Karen

 

蜂蜜はどうしてあんなに美味しいんだろう。

黄金色で艶やかな蜜は、口の中に入れた途端真っ赤に燃えて舌を焦がす。

 

その味もさることながら、小瓶に詰まった姿の愛らしさといったらたまらない。

 

ぷくぷくとした小さなしゃぼん玉のような気泡。

海に潜ったことはまだ一度もないけれど、天国に海があるとしたらきっとこんな感じなんだろう。

 

 

想像の中で小瓶に潜ってみると、外から誰かに見られていることに気づく。

 

明るい視界から、黒い大きな陰りが見える。

 

 

水族館のペンギンはきっと同じような気分なのかもしれない。

 

 

見たことのないところに潜ってみたり、入ってみるのはすごく楽しい。

蜂蜜の小瓶も、シチューの鍋も、涙を浮かべる女の子の瞼の裏も。

 

入ってみると、世界は狭いようでとても広いことが分かるのが、いい。

 

 

わたしたちはどこにだって行ける。

飛行機もあって、ロケットもあって、そのうち宇宙人がFacebookの友達欄にいるかもしれない。

 

だけど、ほんとうは身の回りの世界だってまだまだ行ったことがないところも、いっぱいあるんだなあ。