努力はたいてい報われない

 

努力をして報われることはあんまりないけれど、救われることがある。

 

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photo by Lovisa Lagerqvist

 

世の中には努力ではどうにもならないことがいっぱいあることはみんな知っている。

 

 

例えば昨日一昨日のセンター試験のために人生のすべてを注いでいる受験生たちとか、治療法が見つからない病を患う人とか、たいせつな人を失くしてしまった人とか。

 

 

努力とか頑張るとかいうのは、ときに暴力的なものに変わる。

頑張らなくてもいいときもあるし、休んで解決することもある。

 

 

ある日、ものすごく頑張っているのに「頑張れていない」と悩む友だちに、わたしは何もうまいことが言えなくて悲しかった。

その子にぴったりな言葉は、頑張らなくていいよも違うし、十分頑張ってるよも違うってことしか分からなかった。

 

頑張っていたとしたって報われるわけでもない。

 

 

「頑張るって、なんなんだろうね」

ポツリと呟いたその子の言葉が、水の上に垂らした水彩絵の具のようにじんわりと心の中に広がる。

 

頑張るって、なんなんだろう。

 

 

社会は理不尽だということを体得すると、努力は報われることのほうが少ないということを悟る。

 

それでも、みんな努力したり頑張ったりする。

 

 

 

 

報われないと分かっていても前に突き進まずにはいられないのは

きっと、頑張ったことがいつか

未来の自分を救ってくれることがあるからなのかもしれない。

 

 

報われない、と思うからしんどくなる。

でも、救われることがちゃんとある。