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出会った意味を本当に味わうのは、その人とまみえることができなくなってからなのかもしれない。

-『悲しみの秘義』

 

あの日からずっと、酔い潰れないと眠れなくなっていた。

日中はいつも目がぐるぐるして夢の中にいるみたいだった。 

 

街中ですれ違う人を見間違える。また会えるんじゃないかと期待してしまう。

 

月曜日の明け方何度も金縛りにあって、胃痛が襲った。翌日病院へ行くと胃腸炎だと言われた。

 

もういいよ、と心配されている気がした。

 

病院から戻ると、一冊の本がポストの口に挟まっている。

先日購入した『悲しみの秘義』だった。

 

 

若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義

若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義

 

 

前向きな気持ちは全て涙と一緒に流れ落ちていってしまっていた。

 

だから、もうずっとこうなんだろう、と思っていた。

 

 

でも暗闇の中にいるからこそ、光はわずかでも目がくらむような眩しさをもっていた。

 

出会った意味を本当に味わうのは、その人とまみえることができなくなってからなのかもしれない。

 

 

もう、止まっていちゃいけない。

 

 

早く会いに行こうなんて思ったら、「メロンパンでコンゴ救ってないでしょ。禁メロンパン」って言われるに違いない。

 

 

 

学業とフェスとアルバイトを両立させられずにやめるかわたしが悩んでいた時、こんな風にメールがきたんだよ、と社員の田中さんが教えてくれた。

 

 

本人の夢を応援するとメロンパンフェスティバルに注力してもらうのがよいと思いますのでしばらくお休みするのは岩田的には問題ないです。

他がどう言うかわかりませんが、岩田が守ります。

 

交わした言葉も、淀みなく溢れてくるほどの思い出もないかもしれない。

 

なのにこんなにもぽっかりした気持ちになるのは、側にいなくてもずっと岩田さんが守ってくれてるのをずっと感じていたからだった。

 

この言葉も岩田さんがいなくなってから知ったけれど、わざわざ言ってくれなくても分かっていた。

 

次はわたしが、大切なひとを守る。

岩田さんのことを大好きだったひとを、わたしが大好きなひとたちを。