無機物に感情のふりかけをかける

f:id:hrmlpn:20161123231828j:image

 

おとなになると、どんどん世界が小さくなっていくのだと思っていて、いろんな柔らかい感覚がなくなっていくのだと思っていた。

 

でも実際にはそんなことは全くなくて、むしろ今になって感動することもいっぱいあることに気づいた。

 

例えば銀杏の落ち葉で埋まる地面を見たときに、うわっ黄色が落ちてる、とびっくりするようになったのはここ数年。

背丈が伸びたり視力が落ちたりしてる分見える景色が子どもの頃と違って、感じ方も変わっているんだろうなあ。

 

 

大人になるにつれてどんぐりを拾わなくなるのは、どんぐりとの物理的な距離が遠くなるからだという説を唱えたら苦笑いされたけど、そうなんじゃないかと本気で思う。

もっと広い公園だと思っていたのに大人になってから行ってみたらすごく小さく感じた、とか。子どもと大人との身長差が与える影響は結構大きい気がする。

 

 

もうひとつ大人になってから身に付いたのが、無機物に感情のふりかけをぱぱっとかけられるようになったこと。

 

 

感情のふりかけをかけるだけで、雨の日のあとにぬかるんだ地面が踊ってるみたいに見えたり、はらはらと目の前を落ちる葉っぱが泳いでるみたいに見えたり、はちみつの瓶の中が小さい水族館に見えたりする。

 

 

 

そういうのを見つめていると、考えても考えても出てこなかったアイディアがふと浮かぶことも多い。

 

 

幼少期は大人になるのって寂しいことだとばかり勘違いしていたけれど、本当は楽しくてうれしいことがいっぱいあるよ。