優しい人、優しくするのがうまい人
やさしいことと、やさしくすることは、違う。
『僕の明日を照らして』瀬尾まいこ著
「何でそんなに優しいの?」
と聞かれることが、高校生の頃よくありました。
でも、優しいと言われるたびに心の中で罪悪感がちょこんと居座っていたんです。
定義は人によって違うと分かっていても、自分とほかの人とでの差が開いている気がしてなりませんでした。
そんな時この瀬尾まいこさんの本の言葉で、すとんとわだかまりが外に出ていく感覚を味わいます。
わたしも優しくするのはうまくできていたけれど、優しくはなかったんです。
優しい自分が好きで、本当に相手にとって必要なのは厳しさであるときでも、その場しのぎの自分のためでしかない優しさを差し出すことしかできていませんでした。
そんな調子である日はき違えた優しさで友だちを傷つけ、「優しくすること」と「優しいこと」の違いをどう自分で気づくことができるかを意識するようになったんです。
そして、たどり着いた答えは
自分が何か言おうとするとき、もしくは行動をとるときに
「自分が楽になりたいのか」「相手を楽にしたいのか」をいったん考えることでした。
例えば『悩み事があって・・・』と言われたら心配する反面悩みの内容に興味心が湧いてしまったり、自分には話してほしいという気持ちがはたらいて根掘り葉掘り聞いてしまいそうになります。
でも、その全部吐き出したら楽になるよ精神って「自分のモヤモヤをすっきりさせたい」という自分のための満足感を求めているからだったりします。
また、できることは自分がやってあげよう!という行動も、誰かの居場所を失わせたり、仕事を奪ってしまっているかもしれません。
わたしは、これができていませんでした。
一時まで完璧主義を目指していたわたしは、
誰かの成長する機会を奪っていることに気づいていなかったのです。
【自分ができることはやって、できないことは他の人に任せる】
ではなく、
【自分しかできないことはやって、自分以外の人でもできることは他人に任せる】
特別なことではないのですが、この考え方に変えることでわたしは人に頼ることに対する苦手意識を克服できたのでした。