2017-01-01から1年間の記事一覧
生活を営むということを、言葉を紡ぐたのしさを、もう何ヶ月も味わっていない。 それが、仕事によるものなのか、わたし自身が変わってしまったからなのか分からない。 ぶつかる肩。踏まれる爪先。絡まる溜め息。 終わらない今日。駆け上がる途中で流れが止ま…
優しくなりたい、優しくなりたい、と思っていたのに。 悲しい経験をすればするほど優しくなるなんて嘘だ。 優しく「する」のがうまくなるばかりで、ほんとうの優しさからはどんどん離れていく。 悲しい経験をすればするほど身に着くのは、効果的に相手を傷つ…
自分の居場所が見つけられない。 毎日自分の機嫌を良くして、にこにこしながら過ごす方法も分かっていて、違和感を持ちながら仕事を淡々とこなす強さも持っている。時々個人的なことでかなしい気持ちになることはあっても楽しく過ごせてる方だと思う。 なの…
一年前に買った黄色のスカート。 数か月前まで着ていたグレーのワンピース。 みずいろのスニーカー、ぺたんこのサンダル。 くまの表紙の手帳、ぽっけがたくさんあるリュック。 もう、今の自分には遠い。 一か月前の、Tシャツにゆるいパンツ、サンダルでアイ…
人生で初めてコンタクトレンズを買った。 あまりにもつけるのが怖くてへたくそすぎて、眼科のひとに呆れられた。 眼鏡をかけていないのにかけているときくらいよく見える。 自然に見えているから、どかんっとびっくりはしなかったけれど、歩けば歩くほど周り…
ラムネのしゅわしゅわ、みんなの分のポカリを入れたビニール袋、ミルクの匂いがする夏の空気。風鈴のつめたい音に、バイクのミラーに映る入道雲。 歩いても歩いても夏すぎる。 夕暮れ時、公園のベンチで本を読んでいたら、蚊にたらふく血を吸われた。 叩き潰…
すきな道を、自分で選んだ道を歩いているのに。 なんて甘いんだろう。 一年前も、迷ってた。 二年前も、三年前も、ずーっとずっと、迷いながら、目の前の道を進むしかなかった。 でもそれが前なのか後ろなのかも、分からなかった。 やっぱり裏切るような行為…
「いろいろ、苦労があるのね。」 感動して私が言うと、 「まあね、でも人生は本当にいっぺん絶望しないと、そこで本当に捨てらんないのは自分のどこなのかをわかんないと、本当に楽しいことがなにかわかんないうちに大っきくなっちゃうと思うの。あたしは、…
このまま世界を飲み込んでしまうんじゃないか、と思う夕闇がある。 雲が照らす夕焼け色に被さって濁したような、オレンジと夜とグレーが混ざった色。 前に選挙へ投票しに行った帰りもこんな感じだったっけ。 梅雨と夏がサンドイッチされたような湿り気に、立…
毎日乗ってるのに、気づかなかった。 線路沿いの菜の花、窓から見える隣の家の梅の花。 「人は見たいものしか見ない」という言葉が最近妙に引っかかって、じゃあ身近な春の訪れにも気づかない自分は何を見てたんだろう、とふと我に返った。 毎日走ることがで…
もう、頑張り方がわからないな。
検察官の夢を持つ前、わたしは丸の内を颯爽と歩くOLになりたかった。 10年後のわたしはバリバリのキャリアウーマンではなく、アパレル企業でアルバイトをする身で、海外ビジネス相談をしに丸の内の高層ビルに囲まれていた。 陽射しをめいっぱい反射する皮膚…
できっこないをやらなくちゃ。
ルワンダの男の子とのメールのやり取りを探していたら、ふと他の履歴を見つけてしまった。 些細なことでも日記をつけるようになったのは、この世を去った後、近しい人へ確実に遺すことができる唯一のものは言葉だと気付いたから。 認めたくないけど認めなき…